カテゴリ:靴

シルヴァノ・ラッタンジ(Silvano Lattanzi)から考える価格と価値

こんにちは。
山本です。

昨日、野暮用で新宿に行き、そのまま帰るのもなんだからと
伊勢丹に寄ってみました。セール期間中ということもあって、
平日の昼間でもお客はかなりいましたね。

臨時のレジまで出しちゃってるくらいだから、明日はもっと
ひどいことになるのでしょう。

同じ百貨店でも、新宿高島屋、渋谷東急本店、渋谷西武、
池袋西武、日本橋三越、銀座三越etc、雰囲気もお客の入りも
違うので、それを見るだけでも面白い発見がいっぱいあります。

中でも日本橋三越はオススメです。ここだけは他と全く違いますから、
面白い体験ができると思いますよ。興味があったら行ってみて下さい。

さて、今日は新宿伊勢丹メンズ館地下1階にある紳士靴売り場での
セールでふと考えた「価格」と「価値」についての内容です。

最後にちょっとしたイベントのご紹介がありますのでお楽しみに。

それでは、早速いってみましょう。

1.12万円は安いのか?

シルヴァノ・ラッタンジ(Silvano Lattanzi)と聞いてちょっとでも
何かしらの反応をしてしまった人は、所謂、靴好きの人か、美しいものに
興味がある人か、イタリアなら何でもウェルカムさって人でしょう(笑)。

20年間国際保証をする靴は世界を見渡しても希有な存在ですし、
裏を返せば、それだけ作品(靴)と品質に自信があるということです。

シルヴァノ・ラッタンジ氏のヨーロッパ伝統文化を存続させる
という情熱は、今でも世界中を魅了し続けているわけです。

シルヴァノ・ラッタンジ(Silvano Lattanzi)

日本では、新宿伊勢丹メンズ館や信濃屋などがシルヴァノ・ラッタンジ
を取り扱っていますが、購入できるのはプレタポルテ(既製靴)のみ
ですので、ス・ミズーラ(フルオーダー)を希望する場合はイタリアに
行くしかありません。

2006年には日本でもオーダー会があったみたいですが、
それ以降は来日されてません。

まー結構なご高齢ですし、息子(パオロ)も本人ネームのブランドを
立ち上げましたから、シルヴァノ・ラッタンジ氏が今後精力的に世界を
飛び回ることはないのかもしれません。

シルヴァノ・ラッタンジ(Silvano Lattanzi)

なので、イタリアに行く時間・余裕はないけど、シルヴァノ・ラッタンジの
靴が欲しいという場合はプレタポルテを検討するしかないのだけれど、
ここで僕らを立ち止まらせるのが、、、そう「価格」です。

ここ日本において、既製靴で一番高いのはシルヴァノ・ラッタンジでは
ないでしょうか?

あまり熱心に価格を調べたことはありませんが、多分どのタイプも
20万円オーバーが当たり前だったと思います。
(僕の記憶が正しければ、どれも30万円前後だったような気が・・・)

正直に僕の気持ちを言ってしまえば「悩みに悩んだ結果欲しいのであれば、
20万円だろうと30万円だろうと買ったらいいじゃない」ですが
(もちろんラストが合えばですけどね)、やっぱりこのくらいの価格に
なると他の選択肢が出てくるのも当然かと思います。

「国内だったらビスポークできるよな」

「フェラガモやJMウェストンなどを2足買った方がよい選択なのでは?」

「そもそも靴にこんなにお金かけていいものなのか?」

このようにあれやこれやと悩んでいるときが一番楽しいと言えば
楽しいのですが、そんな超高級既製靴のシルヴァノ・ラッタンジが、
昨日立ち寄った伊勢丹のセールで12万円で売られていたのです。

12万円だったのは黒のストレートチップでしたが(その他のモデルも
セールしてましたが、12万よりは高かったですかね)、いつもの
シルヴァノ・ラッタンジの価格を知っている人ならやっぱり心が揺れると
思うんですよ。

次に買う靴はビスポークと決めていて、実際に靴職人を探している僕でも
心揺れましたから。

「安い!」

って(笑)。

で、結論から言ってしまえば買わずに帰ってきたのですが
(黒のストレートチップは今のところ間に合ってますから)、
帰りがてらふと

「なんで12万円を“安い”って思ってしまったのだろう?」

と考えてしまいました・・・。

2.価値があるところ

12万円のシルヴァノ・ラッタンジが安いのか、高いのかを考える前に、
ちょっと牛乳のお話を。

「・・・牛乳?」と思われたかもしれませんが、少々お付き合い下さいませ。

僕はコーヒー牛乳を牛乳で割ってしまうくらい牛乳が好きなのですが(笑)、
数ある牛乳の中でも一番好きなのが「農協牛乳」です。

(この一文だけでも「牛乳」って単語が5回も出てきてるでしょ?
 そのくらい牛乳がすきなのです。笑)

農協牛乳を買うスーパーはいつも決まっていて、そのスーパーでの
農協牛乳通常価格は「230円」くらいです。まっ大概どの牛乳も
このくらいの価格ですよね。

で、このスーパーもちょくちょくセールをするのですが、
そのときは農協牛乳が「190円」で売られています。

ですので、たまたま行ってセールだと妙にテンションが上がります。
「今日は農協牛乳3本買っちゃおうかな」って(笑)。

こういうときに、母が新聞折り込みチラシを楽しみにする気持ちを
理解できるのですが、この嬉しさがあるが故に、通常価格(230円)時を
「高い」と感じてしまうのも事実なのです。



なんかすごーく器の小さい例えで恐縮でしたが(苦笑)、ここでちょっと
冷静に考えたいわけです。



・12万円の靴を「安い」と思った。

・230円の牛乳を「高い」と思った。



この違いは何なのか?ということを。

・・・・・・・・・・

ここで取り入れたい視点が「価値」です。

経済は「価格」と「価値」の差によって回るものですが、経済を考える上で
難しいのは



・価格:客観的に決まる

・価値:客観的に決まらない



があるからです。

僕は、シルヴァノ・ラッタンジを12万円で「安い」と思いましたが、
シルヴァノ・ラッタンジに全く興味がない人にとっては、靴に12万は
やっぱり理解できない(=高い)わけです。

僕は、農協牛乳(1000ml)を240円で「高い」と思いましたが、
自然放牧牛乳(200ml)350円を飲んでいる人からしてみれば、
「あらお安いのね」となるわけです。

(そもそもこういった牛乳を飲む人は、別視点(安心・安全)で
 購入してますから比較対象にはならないのですが)

これはあくまで僕の一例でしたが、例えば

・ハンドバックに100万円も払う女性を理解できない男の子

・エステ、美容室に毎月通う女性を理解できない男の子

・シーズン毎に洋服を新調する女性を理解できない男の子

・高級機械時計に100万円も払う男性を理解できない女の子

・風俗に1回2万円払って行く男性を理解できない女の子

・より高スペックなPCを買い求める男性を理解できない女の子

なんかは割と共感いただけるのではないでしょうか。

こういった現象を「価値観の相違」と言うのかもしれませんが、
なぜこのような相違が起こるのかと言うと、僕らは無意識的に



・価格=価値



と考え、そして、これが誰しもに一意で当てはまる公式だと
錯覚してしまうのです。

・ロイヤルコペンハーゲンより、マイセンの方がいいと皆が
 思っている。

・セーラーの万年筆より、モンブランの万年筆の方がいいと皆が
 思っている。

・リーガルより、ジョンロブの方がいいと皆が思っている。

・ソニーより、アップルの方がいいと皆が思っている。

・ユニクロより、ZARAの方がいいと皆が思っている。

冷静に立ち止まって考えると、そんなことはありませんよね。

その人の考え、その場における環境などによって、ジョンロブより
リーガルの方がよいと思う人がいるように、結局価値ってものは



 1.その人に内在するもの(主観的なもの)



であり、且つ



 2.その人自身でも、定量化できないもの



であり、そして



 3.その都度その都度、ダイナミックに動くもの



なのですから。そして、これら3つを一言でいえば、



・価値って結局自分でもよくわからないものだよね



って僕は思うのです。

ただ僕らは、「答えは必ずある」という教育を受けてきてますので、
よくわからないものが近くにあると居心地が悪いんですよ。

だから本来なら定量化できないものを定量化しようとする。

そしていつしか

・価格(お金)=価値

という間違った公式を発展させて、



 1番:価格(お金)

 2番:価値



という間違ったフローを定着化させてしまうのです。

価格ばかり気にする人が多い事実、年収ばかりを気にする人が
多い事実を考えても、納得いただけるかと思います。

ただ当たり前ですが、本来なら



 1番:価値

 2番:価格(お金)



というフローになるはずです。

ビル・ゲイツは世の中にオフィス効率化という価値を提供したから、
お金持ちなのです。

ダウンタウンは世の中に笑いという価値を提供したから、
お金持ちなのです。

村上隆は世の中に新しい芸術という価値を提供したから、フィギュアが
何億円でも売れるわけです。

もし、あなたがお金に対して何かしらの不満があるのでしたら、
厳しい言い方かもしれませんが、それは単にあたなが世の中に
それだけの価値しか提供してませんよ、ということ。

家族のせいでもなく、会社のせいでもなく、社会のせいでもない、
現時点のあなたが提供している価値が今の価格(年収)なのです。



「じゃどうしたら価値を創出できるんだよ!」



それが定式化できたら皆お金持ちです。

だって、先程お伝えしたとおり、価値ってよくわからないものですから。
もしあったら僕が知りたいくらいですよ(笑)。

ただ、定式化はできないけれど、僕が今まで学んだ知識と理解、そして、
ビジネスで成功している人と多く出会った結果言えることは一つで、



・考え、動き続ける



です。これが、価値を創出することに繋がると僕は考えています。

真理に反すること以外なら何したって構わない。あなたの好きなことを
好きなだけやり続ける。好きなことがないのなら、好きなことを探し続ける。

別にポジティブに行動しろって言いたいわけではありません。ポジティブと
ネガティブは表裏一体ですし、前回、運動の話をしたときにも言いましたが、
ネガティブ時いかにニュートラルに行動できるかが鍵ですから。

それにはやっぱり自らで「考え」なくてはいけません。考えることは
疲れると思いますし、考えることに怠け癖が付いた人だったら
「何を考えたらいいのですか?」なんて質問したくなる気持ちもわかります。

ただ、パスカルが「人間は考える葦である」と言った意味を、
僕らは考えなくてはいけません。



考えて、動き続け、悩み、苦しみ、そして、また考えて・・・



それが報われるかどうかはわかりませんし、「努力は必ず報われる」が
真理かどうかなんてもっとわかりません。

きっと、報われない人もいることでしょう。でも最近僕は思います。

「だから何?」って。

努力が報われようが、報われなかろうが、どっちだっていい。
だって止まっているより、動いている方が充実感があるから。

スポーツと同じです。やっているときって単純に楽しいし、
気持ちいいでしょ?

たまに運動が嫌いですっていう人もいるけれど、例えば、今の季節なら
蝉が泣きつける中、公園の木陰を散歩するだけでも運動(動くこと)だと
思うんですよね。

目に入る景色、耳から聞こえる音、肌で感じる暑さ、全てが動いている
からこそ感じられることです。

だってその感覚は、家でゴロゴロ寝ていたら気づけないものですから。

そして、その気づきは新たに考えるネタになったりするわけですよ。

例えば、そのネタをFacebookなどに投稿して、いつもより「いいね」の
数が多かったら、そのネタには価値があったのだと言えないでしょうか。

(「考え、動き続ける」って「考える」が先にあるわけじゃなく、
 ループしていることなのでどちらが先か後かは関係ありませんよ)

結局、この積み重ねでしか価値は創出できないと僕は思うんですよね。

つまり、



・考え、動き続ける



ただ、これがわかっていても僕らはなぜか一番選択してはいけないことを
選択してしまう。それが



・何もしない



です。

「何もしない」が一番してはいけないことだと言われなくても
わかっているんです。

わかってはいるのだけど、なぜか「何もしない」を選んでしまうのが、
僕ら人間なのです。

不思議かもしれませんが、お金に悩む人が多い事実がそれを物語り、そして、
あなた自身を振り返ってみても多少なりとも心当たりがあるはずです。

もし一人で考えてモヤモヤしてしまうなら、いつでも連絡して下さい。
誰かと交わるだけでも「動き」になりますから。

そして、一緒にモヤモヤしましょう(笑)。



因みに近々、一緒に「考え、動き続ける」サービスをご案内させて
いただきますので、もしご興味があれば参加してみて下さいな。



さて、ここまで色々とお伝えしてきましたので、簡単に
まとめたいと思います。



・価値はモヤモヤしているもの

・価値を創出するには、「考え、動き続ける」しかない



わかったようで、わからないような。わからないようで、わかったような。
それでいいと思います。

だって今日話している「価値」は結局モヤモヤしているものなんですから。

ただ「価格」と「価値」はあなたがいつも身近に接しているものです。常に
「なぜこれを買ったのだろう?」とか「なぜこれを買わなかったのだろう?」
をあなたなりに考えておく癖は付けておいて下さい。

もうわかっていると思いますが、「答え」はありませんからね。
僕らがしなくてはいけないことは答えを探すことではなく、
その時、その時を自分なりに納得することです。

そして、それを常に更新し続ける。

これが「考え、動き続ける」ということです。

面倒くさがらずに、一歩一歩共に進んでいきましょう!



最後に、僕が好きな椎名林檎さんの歌詞をご紹介させて頂きます。

「もしも彼らが君の何かを盗んだとして それはくだらないものだよ
 返して貰うまでもない筈 何故なら価値は生命に従って付いている

 ほらね君には富が溢れている」 (椎名林檎「ありあまる富」)

3.コンテンツは日本を救うのか?

今日の「価値」というテーマにはぴったりなイベントのご紹介です。

http://www.readingconsideration.com/fwd3/shi
(※イベントは終了致しました。)



7月6日に東京で行われたイベントには僕も参加させて頂きました。

このイベントはプレゼンターが一方的に話すのではなく、参加者も
交えてのディスカッション形式です。ですので、一人では考えも
しないような突飛なアイデアが出たりします。

これこそ双方向の醍醐味だと個人的には思ってます。

次回(8/11)は学生も交えたものになるとのことなので、
どんな価値が創出されるのか今から勝手にワクワクしております。

一人で考えることも重要だけど、人と交わることで生まれる価値も
あるんだよなあ、を改めて気づかせてくれるイベントです。

もしご興味がありましたらご参加下さい。



では今日はこの辺で。

ここまでありがとうございました。

山本



追記
伊勢丹でセールしていた靴は、シルヴァノ・ラッタンジ(Silvano Lattanzi)ではなく、セカンドラインと言われているジンターラ(ZINTALA)でした。

ごめんなさい。

ただ、ジンターラ(ZINTALA)だって20万くらいするわけですし、今回お伝えしたかった内容としては、シルヴァノ・ラッタンジ(Silvano Lattanzi)でも、ジンターラ(ZINTALA)でも変わらずなので、よしとしましょう(笑)。



追伸
まぐまぐを廃刊するって言いながら、未だにまぐまぐから配信している
わけですが(苦笑)、先程ご案内した「考え、動き続ける」サービスが
新しいメルマガになるかと思います。

もし「しょうがねえなあ、引き続き読んでやるか」という場合、
もう少々お待ち頂ければと思います。

新しいメルマガ始めました。
ブログ記事以外の情報も配信することがありますので、
もしご興味がありましたらご登録下さいませ。

https://55auto.biz/bs2b/touroku/entryform2.htm

コメント


認証コード0364

コメントは管理者の承認後に表示されます。